薪ストーブとペレットストーブの天板温度の違い

 

ストーブの天板で調理をする。

石油ストーブで育った世代の方であれば、冬の日本家庭の原風景かもしれませんね。

 

しかし、そんな日本の原風景である石油ストーブは、定期的な換気が必要ということで、現代の高気密住宅には適さないものとなってしまいました。

また、出力的にも現代の広いリビングルームを暖めるのは心もとないものとなっております。

 

では、調理やお湯が沸かせる暖房器具となると薪ストーブとなるのですが、こちらはこちらで定期的な薪の投入や、着火の手間、薪の調達を考えるとハードルが高くなってしまいます。

断念をした結果次のリサーチをしていくと(まだまだマイナーな)ペレットストーブというものがある、となるのですが、薪ストーブとペレットストーブには構造的な違いから、ペレットストーブは調理をするには難しい面があるという事実は中々知られてい事なので、今回はこの決定的な構造の違いを説明していきます。

 

 

薪ストーブは下記の写真の様に、薪が燃焼する面積が大きく、時間当たりに使用する薪の量もペレットとは大きく違いがあります。

一方、ペレットストーブは燃料のコストを抑えるために、最小の燃焼量で最大の暖かさを得るべく開発されたものですので、上記写真の様に燃焼面積が10㎝角程度しかありません。

 

それ故に、煙突の出口付近の温度は薪ストーブで150℃~300℃、ペレットストーブで100℃~200℃程度しかありません。

※温度の幅は燃料の投入量・火力による違い

 

ですので、薪ストーブとペレットストーブの天板の温度も相当な温度差が生じてきます。

 

また、ペレットストーブ先進地域の欧州規格では、天板でお湯が沸騰する温度になってはいけないという規定があります。

 

日本のメーカーにはペレットストーブでも調理が出来る機種をという要望から、数社が調理が出来る機種を発売しておりますが、薪ストーブとの天板の温度差は歴然としております。

 

お勝手のガスの調理器具は火に直接鍋やフライパンで調理しますが、暖房器具としての機能故にそういった調理と暖房を両立した器具にはなりません。

 

ペレットストーブでは、沸騰までの時間はガスなどの調理器具には敵いませんが、ガス器具調理器具に室内を暖めることは出来ません。

つまり、機器にはそれぞれの役割がありますので、調理できるペレットストーブに過度な期待をしてはいけませんという事です。

 

石油ストーブが沸騰までの時間が速いのも、排気を室内に放出しているからであって、こちらも排気は煙突で室外に排出するペレットストーブとは構造が違います。

 

では、調理が出来るペレットストーブは導入する意味がないのか?という点ですが、そんなことは御座いません。

 

薪ストーブの様に薪を投入量と空気量で温度管理をする必要が無く、天板温度が一定に設定できるので、弱火でグツグツ煮込む料理には適しております。

薪ストーブの様にピザは作れませんが長時間煮込む、保温するという点においては最適です。

 

※欧州製のペレットストーブは上記の様なオーブンが付いているタイプもあります。

 

こういった状況を踏まえ、調理が出来るタイプの優先順位を明確にしてストーブ販売店とお打合せを行ってもらえればと思います。

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