茨城県水戸市で基礎断熱を施した床下にペレットストーブの暖気を送り、床と家全体を暖める【全館暖房システム】を施工したのでご報告いたします。
まずは、この工事プロジェクトの設計や工事を進めていただいた業者様に厚く御礼を申し上げますと共に、下記にてご紹介を致します。
設計:宮本建築アトリエさま
工事:内海木材有限会社さま
物作り、特に建物の様な大きなものを作る場合、お施主様・設計・施工の3者が力を合わせ、一つの目標に向かった時に最高のものが作れるのでありますが、この現場はそういった意味で最高の現場の一つ。
三者がいいものを作ろうとした気持ちの入った現場で、施工者側ではありますが大変思い出に残る現場の一つであります。
当プロジェクト始動のきっかけは、お施主様が平成30年に安曇野市で施工した当店の施工例をご覧いただいたこと。
1階の床下と土間の間にペレットストーブの暖気を送る事で、信州の冬でもヒヤッとした床の感覚は無く、床下へ送った暖気は1階各部屋の通気口(スリット)から出てくることで”家全体”を均一な暖かさにする効果がある訳です。
茨城県とはいえ県北である水戸市は氷点下に下がる日もあるようなのでしっかりとした暖房が必須の地域。
北海道のご出身のお施主様は暖かい家にしたいという事で、この工法を採用いただきました。
現場は水戸市の住宅街という事もあり、ご近所へのペレットストーブの排煙問題や、”風圧帯”による逆火の可能性を心配されたお施主様のご要望で、煙突は屋根出しとされました。(安全第一です)
『ペレットストーブは排気ファンが付いているから煙突は必要ない』との意見もありますが、目に見えない”風圧帯”ほど怖いものはありません。
事実、つい先日も逆火によるペレットタンク内のペレットに引火した事例が報告されております。
毎年数千台出荷されるペレットストーブも、以前の様な一部のニッチな方への環境に良い商品という位置付けだけではなくなりつつあります。
もっと一般のユーザーに受け入れられるような販売手法・訴求方法を模索する時期でもある気がします。
話しは逸れましたが、この床下に暖気を送る【全館暖房システム】のメリットとして、
◎温水や電気ヒーターを使用した床暖房と違い、配管や配線を気にすることなく間取りの変更や、床の改修工事が出来るという事。
◎一般的な床断熱に使用する断熱材を建物外周基礎の立ち上がりに張るため、建築業者の施工費がそれほど増大する訳ではない事。
◎床暖房の様に定期的なメンテナンスは不要。あえて必要なのは床下の掃除のみ。
という事です。
また、基礎断熱という工法自体は既に確立されているため、ある程度の経験がある建築業者であれば、施工精度を心配することはありません。
肝心のストーブですが、採用いただいた機種はイタリアPIAZZETTA社のP963。
ストーブで重要な暖かさやプレミアム感、メンテナンスのしやすさ等どれをとっても一級品、いや特上品です。(笑)
ストーブ背面の大谷石が決まっていますね。
ストーブ下部から吹き出される暖気の威力は『暖かい』ではなく『熱い』くらい。
当店おすすめメーカーの一社です。
床下へ暖気を送るダクトはこちら。
床下に送られた暖気はこのスリットから室内へ帰ってくのです。
今回は時期も時期という事で本格的な稼働は冬までお預けですが、室内で燃焼するストーブは輻射熱を発します。
当店のお客様に聞き取り調査をすると、そのほとんどの方がストーブ設置後はインフルエンザに罹っていないという結果が出ております。
手軽を楽しめる・あたたかい・オシャレなペレットストーブの全館暖房が長野県だけでなく、全国的にも始動を開始した年となりそうです。
冬には再レビューをUPする予定ですので乞うご期待を!